形態学 個体発生と系統発生
『千のプラトー』でジョフロワ・サン=ティレールの話が出てくる。
科学史的に、ジョフロワについて教えてくれるコンパクトな本がないか探していて見かけた次の本。
形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ (サイエンス・パレット)
ヘッケルがとなえた、個体発生は系統発生を繰り返す、という「反復説」は、すでに否定された、というのは、英米における生物学者、科学史家による反ドイツキャンペーンだ、と書かれていて(p.69)、なるほど、と。
反復説は、単純に成り立つものではないが、今でも有益な観点だ、という著者の見方が面白い。
科学史的な話題と最先端の研究動向が融合したような書き振りが珍しいと思ったら、あとがきを読むとユニークな経歴の人だった。
しかし、ジョフロワについては、なかなか良い本ないですね。