出口顯『レヴィ=ストロース まなざしの構造主義』
https://twitter.com/sacreconomie/status/794827016973393920
このツイートを見て、読んでみた。
来日したレヴィ=ストロースが、世阿弥に触発されて本のタイトルをつけたり、伊勢神宮の建物から論考の着想を得たりしていたと言ったエピソードや(第1章)、仙厓の画集がフランスで出たとき、序文を寄せていて、モンテーニュを仙厓になぞらえていたりする、という逸話(第5章,注90)が、個人的には興味深かった。
まなざしという切り口と、構造主義の再評価が、うまく結びついているとは思えなかったのだが、人類学者として、単なるアカデミシャンに留まらない、思想家としての姿を描いてみせてくれているように思う。
児童教育論と、ニューヨーク論に通底するものがアフリカ奥地のハムレットのエピソードに繋げられるあたりの筆致には(第4章)、議論としての辻褄がどうかということを抜きにして、視野を開いてくれるものがあった。